あうあう、地獄猫です。
前回の満州国陸軍航空隊・97式戦闘練習機に引き続き、同じく満州国のデカールセットを使った「立川キー36・98式直接協同偵察機」をご紹介します。
さて、この「立川飛行機」ですが、海軍のファンの方には全く馴染みのない飛行機会社でしょうね。
それもそのはず、立川飛行機が大戦中に作ったのは陸軍機のみだったりします。
それも、練習機・偵察機・輸送機などのどちらかというと「地味」な機体ばかりです。
(また、試作のみに終った機体がかなりあります。「石川島・帝都防空戦闘機」なんて試作機もあるんですが、一体どんな戦闘機だったんでしょぅね?(注:「石川島飛行機」は立川飛行機の前身))
実は、戦況の推移につれて大量生産が急がれた戦闘機・爆撃機については、立川でも中島の「隼」「疾風」「呑龍」等の転換生産を行っていまして、隼にいたっては2500機も立川で生産されているのは意外と知られていない事実です。
そんな立川飛行機が自社設計・生産した陸軍の「知られざる名機」が今回のキー36・98式直接協同偵察機だったりします。
この「直接協同偵察機」というのは、文字どおり、地上軍の作戦に「直接」に協力することを任務とした「対地支援用多目的機」のことでして、敵情偵察任務はもちろん、場面によっては敵陣地への銃撃、急降下爆撃、さらには空中戦まで有り得るうえに、飛行場など整備されていない最前線の狭い不整地でも運用できるタフさが要求される難しい機種でして、加えて任務上、最高速度と最低巡航速度の幅が広くなくてはならないという厳しい条件があります。
この種の機体では、なによりも「下方視界」が良い事が必要不可欠の条件なので、各国では高翼とするのが一般的でしたが、立川ではあえて低翼の設計としました。低翼とするメリットはエンジン出力が高翼の場合の半分で済む事や車輪の幅が広くとれることなのですが、当然ながら下方視界には悪影響が及びます。
それを克服する為に、主翼前縁に13度の鋭い後退角をつけ、風防を異様なほど高く、前方にとりつけ、また操縦席と偵察席を接近させ相互の連絡を良くし、さらに風防後方は大きく開放できる仕組みにしたり、機体下部にも大きな窓を取り付けるなど「視界」に対するこだわりは徹底していまして、それがこの機体のかなり独特な風貌を形作っていると言えます。
実際、パッとみてちょっとヘンテコなカンジがしません?
あたしの彼女は、完成した作品を見るなり「おでこが広い飛行機」と称していました(笑)。
このような様々な独創的なアイディアのかいあって、低速安定性も良く、操縦しやすく、多少の荒れ地でもビクともせず、エンジン故障も少なく整備もラクな98式直協機は地味ながら重要な任務を黙々とこなし、陸軍地上軍兵士からは頼りにされる存在となりました。
大戦中を通じて1300機も作られていることや、太平洋戦争開戦とともに、緊急生産機種に指定されている事がそれを物語っています。また、敗戦により大日本帝国陸軍が崩壊した後も、各地に残された98式直協機は中国、タイ、インドネシア等で暫くのあいだ働き続けたのでした。
さて、外見はちょっと「ヘンな飛行機」ですが、愛着を感じてもらえたでしょうか?(笑)
キットの方ですが、フジミの1/72です。
このキット、定価450円と、今となってはとっても良心的な価格です。
(最近の新作1/72キットは1000円札ぢゃとても買えないですからね〜)
パーツ合いは「まあまあ」なんですが、キャノピーだけはかなりワルイです。
ボディとのあいだにかなり隙間が出きるのでちょっと難儀しました。
また、ピトー管はキットの様に、日本陸軍機の一般的な形状ではなく、先端が「団扇」状になっているのが正しいので、アルミ板とピアノ線で自作しましょう。
また、前回の97式戦闘機に引き続き、この機体も望遠鏡式照準器ですが、またまた形状が悪いのでこれも真鍮パイプで自作します。
これは成功しましたね!これだけで見栄えが違ってきますよ。
さらに、胴体後部側面には、大きなスライド式扉があるのですが、キットでは別パーツで再現されているこの扉が異常にブ厚いんです!
今回は、ここに「護國安東壱号」のデッカイデカールがつくので、このパーツは使えません。
ここも0.1ミリアルミ板で自作です。
アンテナ柱も例によって自作なんですが、ここで失敗!
今回の作品は機体の中心線上にアンテナ柱を立てていますが、あとで図面を見ると機体を上から見て、やや右に寄ってつけられているんです。
ここはもともとキットのキャノピーにも取り付け穴が開いていないので注意したい個所ですね。
細かい点ですが、機首下面の排気管は真鍮パイプで自作してます。
また、脚カバーですが、キットのものはやや角張すぎている気がします。
実機の写真ではもっと流線形になっていました。
今回は、後で気がついたのでそのままとしていますが、出来ればヤスリで整形したいところです。
主翼左前縁の着陸灯は今回は筆塗りで誤魔化しましたが、やはり透明パーツを埋め込んだ方が、ずっとリアルになるハズです(ただ、翼に後退角がついているのでけっこう難しそう・・・・・・・)。
・・・・・・・・と、今回はちょっと反省点が多くなってしまひました。
まあ、出来の方は「そこそこ」といったカンジでしょうか?
でも、こういうなかなか日の当たらない機種もちゃんとキットとして供給してくれているフジミさんには感謝です!
「地味ながら良く働いた機体」を、あまり売れそうにもないにもかかわらず「地道に供給してくれている」フジミさん、どちらもリッパです(笑)。見習いたいものですね〜。
そんぢゃ!
満州国陸軍航空隊飛行学校所属機「奉天弐号」 |
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